第1章【08】方向性を具体的に考えてみる

方向性を具体的に考えてみる

 

大学入試を真剣考えている場合、重要なのは「方向性」です。

自分が行きたい大学、漠然と行きたいと思っている大学でも、とにかく、紙やノートに書き出しながら、自分自身で考えてみることが重要です。もちろん、一つに絞る必要はありません。

そして、自分の希望する大学に行くためには、「一般入試」で受験するのか、あるいは、「指定校制・推薦入試」なのかを、できるだけ早い段階で決めなければなりません。

「一般入試」と「指定校制・推薦入試」では、その対策が全く異なるからです。

 

「一般入試」の場合、合格の決め手は大学入学試験・本番での得点だけです。国公立大学であれば、大学入試センター試験と二次試験。高校での成績や課外活動などは一切関係ありません。(留年しないで卒業できさえすればいい)

 

たとえば、A君は、特に高校で課外活動を行なっておらず、地域で最低ランクの高校に通っている。生活態度や授業態度も悪く、成績は5段階評価でオール2。□△大学入試での本番での点数は、二五六点。

(A君は、□△大学入試に必要な3教科だけを集中して勉強していた)

 

一方、B君は、高校の部活動で部長をやっていて、地域でトップクラスの進学校に通っていて、生徒会長もやっていて、学校の成績は、体育も音楽も含め成績は5段階評価でオール5の生徒で、□△大学入試での本番の点数は、二五五点。

(B君は、大学入試に関係あるとかないとか関係なく、すべての教科を、一生懸命に勉強していた)

 

もし、□△大学の入試の合格最低点が二五六点であれば、合格するのはA君なのです。B君は不合格なのです。

「えっ、たった一点差で・・・」

と思う人がいるかもしれません。

募集定員が多い大学の場合、一点差で五十人以上いる場合も珍しくありません。

一点差で五十人合格し、たった一点が足りなくて落ちた受験生が五十人いるのです。

「一問差」ではなく、「一点差」です。「特定の教科」ではなく、「総合点」で一点差です。

 

国公立大学の場合、地方の国公立大学であっても、全国から受験生は集まりますし、首都圏の大学であれば、国公立大学であろうと、私立大学であろうと全国の受験生が受験します。

しかも、大学入試を一般入試で受けようと考えている受験生は、そうでない受験生に比べて、学力が高い人が多い。学力が高い人同士での争いですので、大学受験は甘くはないことを認識すべきです。

 

一方、同じ大学入試でも指定校制推薦入試は、高校内で推薦が決まれば、ほぼ合格できるので、状況は全く異なります。

「指定校制・推薦入試」の場合、「高校での成績、内申書」が全てです。しかも、「指定校制・推薦入試」の場合、その指定校の枠にどの生徒を入れるか、決めるのは高校側です。

この場合、学校の成績が全てです。五教科以外であっても、体育も、音楽もすべての教科に関して、少しでも高校での成績をアップさせることが重要です。さらに、特定の大学の指定校推薦枠に、その生徒を入れるかを決めるのは、高校の先生(学校長も含む)です。

そのため、「好印象」を先生方に持ってもらう必要があり、自分の「存在感」も示さなければなりません。

たとえば、同じ学校・学年で、しかも、同じ成績のAさんとBさんがいるとします。

Bさんは、ちょっとしたことでも、よく職員室に行って、熱心に先生に質問していました。

特に、「説明の仕方があまりうまくなく、他の生徒からも避けられていたような先生」にも、積極的に個別に質問に行くようにしていました。実際は、通っている塾で疑問点はほぼ解決しているのですが、自分の理解で大丈夫かどうか確かめるためにあえて質問に行きました。

そして、質問が終わった時には、「先生のおかげで、わかるようになりました!ありがとうございます」と感謝の意をさりげなく伝えることを忘れませんでした。

本当は、質問内容は、塾で解決済みだったというのに。

 

それを複数の先生に、毎週のように繰り返し、先生たちとコミュニケーションを図るBさんと、「授業の中で解決しているから、別に質問に行かなくても大丈夫」というAさん。

二人は同じ大学同じ学部の指定校推薦枠を希望することになりました。高三になって、どちらか一人だけ、指定校推薦の枠を与えられる状況の場合、職員会議でどちらが選ばれる可能性が高いでしょうか?

ここで、注目すべきことは、Bさんは、ずる賢いとか、先生の前では媚を売るが友人からは嫌われているとか、そういったことは関係なく、「ある大学の指定校推薦の一つの枠を勝ち取る」にはどちらが有利かという現実です。

どちらがいいとか悪いとかという議論はここでは置いておき、実際に「指定校推薦枠を勝ち取る」ために、徹底的に行動をしている人がいるという現実を知ることです。

 

もう一つ例を見てみましょう。

C君とD君は、成績は全く同じ。同じ大学同じ学部の指定校推薦を希望している。

C君の生徒の保護者が「先生、息子のことで相談がございまして。先生のご都合のよろしい時で大丈夫です」と先生に気を使ったアポをとり、さらに菓子折りを持参して「いつもお世話になっております」と頭を下げ、面談の翌日には「先生のおかげで、不安が解決しました」という手紙を送付する。もちろん、学校によっては菓子折りは受け取らない場合もある。

押しつけがましく、「うちの息子に指定校推薦枠をください」なんて一言も言わない。でも、定期的に先生に「ご相談」し、「先生のおかげで」を繰り返す。お礼の手紙も忘れない。

D君の保護者は、特に学校には不満もないし、息子も楽しくやっているし、特に学校には連絡していない。

どちらがいいとか悪いとかという議論はここでは置いておき、実際に、「指定校推薦枠を勝ち取る」ために、徹底的に行動をしている人がいるという現実があるのです。

 

もし、自分の行きたい大学、あるいは学部が、あなたの高校の「指定校推薦可能一覧表」に載っているなら、その指定校を受けられるかどうか、出来るだけ早いうちに調べておきましょう。現在の自分の成績や、同じところを狙っているライバルについてなど調査してみて、指定校推薦を受けられる可能性が高ければ、指定校推薦を狙うのもいいかもしれません。

 

「そういったこと嫌いなんだよね」

 

そう思う人は、迷わず、「一般入試」で受験すればいい。

 

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