おわりに

おわりに

 

  第一志望大学合格に向けて、真剣に、大学受験勉強を頑張っている皆さんは、今、とてもツライと思います。大学進学を考えていない友達は、学校の授業がない時、とても楽しく遊んでいるでしょう。

あるいは、中には「推薦」のほうがラクなんだから、そんなに頑張らなくていいじゃない、という人もいるでしょう。少子化の今、定員に満たない大学も少なくないから、ラクに大学に入る方法はたくさんあります。もちろん、「指定校推薦」といっても、その枠を高校内で奪い合いになるほどの有名大学や人気大学を狙うなら「徹底的に」その対策をしなくてはなりません。しかし、実際には、自分が希望すれば、すんなりと指定校推薦枠をもらえるような大学が大多数であり、あなたの高校の大学指定校推薦可能リストの八割以上は、それに当てはまります。

でも、そんな人を横目に、あなたは、今、真剣に頑張っています。

どれがいいのか、どの選択が賢いのか。それに対する答えはありません。自分の人生なので、決めるのは自分です。

この本を最後まで読み通したあなたは、きっと、あえて大変な道を選択し、大学受験に真剣に励む、志の高い受験生です。だからこそ、その志を大切にし、一度決めた目標は、あなたの強い意志で達成できるように頑張りましょう。

少なくとも、高い志をもって頑張っていること自体、無駄になるはずがありません。それどころか「あのとき、本当に頑張ってよかった」と思える時期がくるのは間違いありません。

 

私自身、ずいぶんと長い間、予備校講師として多くの受験生と接してきました。そんな今でも、受験勉強での勉強内容そのものが、意味のあるものなのかどうかは分かりません。

たしかに、数学の難しい公式は、大学に入って以降、使わない人がほとんどだろうし、古文や漢文などは、受験勉強以降まったくお目にかかっていない人がほとんどではないでしょうか。受験勉強で得た知識自体は、役に立っているのかどうか、今でも疑間です。

でも、少なくとも自分がたてた目標に向かって、役に立つかどうか分からない受験勉強を、やりたいことも我慢してひたすら真剣に頑張っていた事実は、あなたの人生において、とてもプラスになっているはずですし、これからもプラスになることでしょう。

 

だから、今、大変でも、喜んで立ち向かう。

 

受験を終えた後、「やれることはやった」という達成感を得られるし、心から「頑張ったな」と思えるのです。

それは、その後の「自信」に繋がります。

この気持ちは忘れないものだし、大学受験が終わった後もあなたを励ましてくれることでしょう。

 

ですから、「第一志望合格」という目標に向かって頑張る。

その「頑張り」が、あなたの一生の宝になるでしょう。