第6章 化学の勉強を変えられる勉強法
化学は、理系教科の中では、覚えることがとても多い科目ですが、丸暗記というわけではなく、一つ一つの反応や性質を理解し、丁寧に覚えていきながら、ある事柄と別の事柄との関連をしっかりと理解しながら覚える必要があります。
計算問題を解く場合にも、解答にいたるまでのプロセスをしっかりと理解していなければ、入試問題には太刀打ちできません。公式は覚えるだけではなく、どのように使うのかをしっかりと理解しなければなりません。
典型的な入試問題を丁寧に解いていくプロセスを通じて、表面的な理解ではなく深い理解をした上で、洞察力を問われる問題にも難なく対処できる力を身につけることが重要です。
大学入試「化学」は、理論化学、無機化学、有機化学に分けられます。
理論化学は計算の割合が大きく、重要なのは、酸と塩基、酸化還元、化学平衡など、各分野においてマスターすべき解き方は一つなんです。化学の大学入試問題を見たときに、その「一つの解き方」を用いて式を立てることができるように勉強するかどうかが、その後の化学の受験勉強をスムーズに進めていけるかどうかの鍵なんです。
つまり、色々な解き方で問題ごとに一貫性のない解き方でやみくもに解いていくのではなく、「一つの解き方」を用いてそれをどう応用させて解くかという発想で学習をすすめていくことが重要なのです。そうすれば、実際の入試問題に直面したときに、その「一つの解き方」が何なのか、そして、それをどのように問題に当てはめていけばいいのかを考えることに集中することができるのです。
無機化学、有機化学の分野は暗記することが多いとはいえ、どれをどのように覚えていけばいいのか、大学入試問題を解くことを前提に、効率的に覚えていく工夫が必要なんです。
化学の先生の中には、大学でしか学ばないような内容も、ここを覚えておけば理解に役立つからなどと教える人もいます。しかし、得点するために大事なのは、そういった部分まで欲張って学ぼうとすることではなく、大学入試に必要な、最低限の基本的な事項を優先してしっかりとこなすことなんです。
入学試験までに残された時間のうち勉強に当てられる時間は限られているのですから、不必要な知識は思いきって捨てることが必要です。
大事なことは基礎的なことをしっかりとこなすことです。
ただ、自分にあった問題集を見つけて、独学でそれを確実に解いていくことは至難の業です。
予備校などで、大学受験に精通した講師がセレクトした「これは!!」という問題を、その講師の丁寧で分かりやすい解説によりしっかりと深く理解するのがもっとも効果的な学習法といえるでしょう。