第3章 数学の成績を変えられる勉強法
過去問を解こうと思っても、基本的な部分で忘れている部分があって、なかなかはかどらない。基本的な部分を確認しようと思っても、その箇所を少しは理解しても、応用の仕方がわからない。基礎ができていないと思って、基礎問題集を一生懸命やっても、模擬試験や大学入試、あるいは、センター試験の問題に太刀打ちできない。
そのような状況の人が、あることに気づいてそれを実行した途端・・・。次のように語っています。
・あれほど手の付けられなかった数学が、得点源になった。
・問題集の解説をみても手も足も出なかった問題も、すんなり理解できるようになった。
・センター数学の得点が40点台から、三か月で80点台をとれるようになりました。
なぜ、数学がそれほど得意でなかった受験生が、このような成果をあげることが出来るのでしょうか?
数学に関しては、もともと数学が得意な人というのが確かに存在します。
参考書や問題集で、かなり解答や解説が省略されていても、難なく理解しどんどん進めていく人。
周囲に一人くらいは、いるかもしれません。
しかしながら、そういった人以外は、中学校のとき数学が得意だった人も含めて、高校で数学の授業を受けても参考書を読んでも、なかなか数学の勉強がはかどらない。
学校の授業を受けたところで、基本問題は理解できても、入試問題は、時間的にも詳しく解説してくれるわけではないので、よくわからないし、そうはいっても、「どこがわからないか?」ということ自体がわからない場合もある。
わからないところを一つ一つ聞いて解決していくような時間的余裕もない。
個別指導の授業を受けても、さっぱりわからない。
なぜでしょう?
それは、「受講している受験生が、すでに数学の基礎を理解している」ことを前提で行なっている授業だからです。
でも、すでに数学の基礎を理解している受験生は、受講者の全体の二割もいません。
残り八割の受験生のことをほとんど考えていないで授業を行なってしまっている場合が少なくないのです!
数学に関しては、有名予備校の数学の授業もそんな場合~もともと数学が得意な人にしか役に立たない授業が多いのも事実です。
高校数学の授業が分からないのは、あなたの能力の問題ではなくて、多くの数学の講師の指導が原因の可能性が高いのです。
たとえば、大学入試センター試験。
学校の数学の先生や、一般の予備校講師の授業は、センター試験マーク模試等で、すでに七割くらい得点できている人でなければ、授業内容を理解できない場合が少なくありません。
しかし、「大学受験数学の基礎」を深く理解できるような予備校の授業を受けることで、瞬間にその状況を変えられる場合があります。
なぜでしょう?
いままで自分がさっぱり理解できなかった数学の単元が、たった一回の授業でクリアに理解できてしまうような授業とはどんな授業なんでしょう?
重要なことは、「大学受験数学の基礎」を深く理解しているかどうかです。
なんとなく答えを書いていって、合っていた、間違っていたということを繰り返しても得点できません。
そうではなく、ある公式については証明したり、別の公式については意味まで理解する必要がなかったり、逆に、「公式の意味」を理解しておいた方がいい場合があったり。大学入試問題を解くという目的のために、数学を学ぶ最初の段階で、「大学受験数学の基礎」を深く理解することのできる授業を受ければ、その後の受験数学の勉強がスムーズに進むのです。
「大切なのは、どこを覚えて」、「ここは、定理自体を理解して」、「ここはこうこうこういう風にとらえて」と、覚えるべきところ、理解すべきところを大学受験数学では、明確に区別することが重要なのです。参考書やテキストでは、その辺のところが明確でなく、同時に一般的な数学の授業の多くも単に目の前にある問題の解説を、教える側が解きやすい方法で、あるいは、思いつきで解いている場合が多く、「学ぶ側が大学入試問題を解けるようになるために、今、どういった形で学んでおけばいいか」が考慮されていないことが多いのです。
例えば、
※ センター試験確率で、暗記しなければならない公式は3つだけ。
※ 数列では、公式を暗記するよりも、公式を導き出すプロセスを理解した方が点になる。
※ 不等式では、教科書にも一般の参考書にも載っていない方法で解く。
※ 三角関数、三角比は、単位円ですべて考えるようにすれば、暗記する量が極端に減る。
※ 微分積分で満点を取るために、どのように図形化していくのか。
※ ベクトルでは、位置ベクトルのとらえ方は、教科書どおりではなく、図とともにこういったように覚えておくだけで応用が利く。
など、単元によって、「大学入試で点を取るための」ポイントというのは、決まっているのです。
しかし、残念なことに、そういったことが明示されている参考書や問題集は、ほとんどありません。
そういった授業もあまり見受けられません。
解説が詳しすぎることによって全体が見えなくなったり、あるいは、ポイントを押さえすぎているために、わからなかったり。
大学入試数学で得点力を身につけるには、絶妙なバランスが重要なのです!
やり方が間違っているために、いくら努力しようと思っても、その努力に見合った結果がなかなか出ない人が少なくない。
いきなり、難しい問題を解こうと思っても、解けない。
そうはいっても、教科書に出てくるような基本問題をいくらやっても、全く、大学入試では、太刀打ちできないのです。
応用問題や、過去の入試問題に、どう手をつければいいのかわからない。
たとえば、市販されている「センター試験対策」の数学問題集を、一生懸命こなそうとする。
でも、模擬試験を受けると、半分くらいしか手がつけられないのは、あなただけではないのです。
今、考えなくてはならないのは、「基本問題から積み上げ式に学習していく」のではありません。逆に、実際の入試問題を一つ一つ分解して、その問題自体を深く理解していくことが重要なんです。
複数の公式が絡み合っている一見複雑そうな大学入試数学の問題を、丁寧なわかりやすい解説を聞いて、理解してしまう。
場合によっては、中学レベルの公式にも触れつつも、大学入試レベルの問題をいきなり解いていくのです!
こういったことは、独学では困難です。
一般の参考書や問題集よりも、さらに噛み砕いて説明しつつも、他の問題を解くための応用力も身につくように問題を解いていくような予備校の授業をできれば、学校で習う前に受ける。
そうすれば最短距離で、効率的に数学の大学入試問題を解く切り口を見つける力をつけることができます。
初めから、実際に大学入試センター試験・数学で出題された問題を用いつつ、教科書レベルまたは、それ以前のレベルまで噛み砕いた解説をいったん受けてしまえば、その問題の全体の意図もわかるし、大学受験に頻出する計算も含めた基礎事項も確認できるのです。
理解度が深まるので、学校の定期テストで、十七点だった高校生が、二か月後に九十六点をとって先生をおどろかせたというようなエピソードは多くあります。
もちろん、数学が苦手な人だけではなく、ある程度数学が得意な人も、深く丁寧に理解することで、応用力も身につけることが可能です。実際、難関国公立大学や、医学部など難関大学を目指す人ほど、大学受験の基礎事項をより深く理解することを重要視しているのです。応用問題も、結局は基礎事項の組み合わせにすぎないのだから。
その組み合わせも同時に学ぶために、数学が得意でなくてもいきなり過去問からはじめる。
でも、いきなり過去問からはじめようと思っても、どう進めたらいいのかわからない。
そんな受験生にとって、大学入試・数学でもっとも効率的な学習方法。
それは、センター試験の過去問からはじめることです。
そんなこといわれても、「いきなり過去問はむずかしい、普通は、基本問題から解いていって、それから・・・・・・」
でも、想像してみてください。
あんなに、教科書レベルの問題~中間テストや期末テストでそれなりに得点できているのに、いざ、模擬試験になるとさっぱりわからない。
点が取れない。
そんなふうに戸惑っているのは、あなただけではありません。
多くの受験生が同じように悩んでいるのです。
即、実践できるように、贅肉をそぎ落として、本当に必要な最小限の知識と、問題のアプローチの仕方を吸収していきます。
覚えることは必要最小限にして、問題にどう向かっていくか。
どう考えていくか。
どのように得点に結び付けていくのか?
「群数列の問題が、学校の授業を聞いても参考書を読んでもさっぱりわからない!」
「ベクトル方程式の意味がよく分からない!」
「三角関数の合成で、ちょっと応用になったら訳が分からなくなる」
「微分の接線の方程式は、できる問題もあるが、いまいちクリアではない!」
あまり数学を得意としていない人が高得点をとるためには、たとえ、市販の問題集をやっても、学校の授業を受けても、家庭教師についてもらっても、まず、太刀打ちできない現実があることを理解することが重要です。
学校の先生にしろ、予備校の講師にしろ、家庭教師にしろ、「数学の先生」の多くは、もともと数学が得意だった人が多いため「数学があまり得意でない人が、なぜこの問題が解けないか?」を分かっていない場合がほとんどなんです。
極端な話、授業でなくても、先生とあなたで1:1で指導してもらっても、よく理解できないことが多く生じて、分かったとしても、その問題だけ何とか理解できたような気になっただけで、結局、他の問題も解けるようになる応用力は身につかない場合が多いのです。